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さあ行かなきゃ 勝負の場所へ

令和最初の夏に観た舞台たち/「SHOW BOY」・「HEY!ポール」感想

令和最初の夏が終わろうとしているのにリアルタイムで全然感想まとめられなかったので、すべての舞台が終わった今に更新するというあるまじき失態(笑)、なので自分用の覚書も含めて、令和最初の夏にみた舞台の感想をまとめてみました。週末は8~9割方日比谷か初台にいた気がする(笑)。

 

  • SHOW BOY

この舞台なしには2019年夏は語れない。それくらい最強で最高のエンターテインメント!本当に公演が終わってからもふぉ~ゆ~担か大河くん担との観に行くたびにすぐSHOW BOYごっこしがち(笑)。それくらい今夏一番記憶に残って、最高に楽しかった舞台でした!

豪華客船SHOW BOATで毎晩24時に始まるキャバレーショー。ある日、キャバレーショーに出演するはずだった歌姫ディーバが牡蠣にあたってしまい代役を探すことに?!

豪華客船に乗るキャバレーショーの裏方(福田さん)、キャバレーショーに出演するマジシャンの見習い(辰巳くん)、カジノで全財産をなくしたギャンブラー(越岡さん)、豪華客船上で銃の取引をしようとしたマフィア(松崎さん)。

ふぉ~ゆ~4人それぞれがそれぞれで、かつての夢とか、未来とか、希望とか、一度は諦めたり挫折したりという過去があって悩んでいる役柄で。裏方は家庭の事情で好きだったダンスをやめてしまったこと、マジシャンは人前に立つとマジックがうまくいかないこと、ギャンブラーは事業に失敗して借金を抱えていて、家族との仲が悪くなってしまったこと、マフィアは本当は人を笑顔にさせる仕事をしたいのに、マフィアの仕事を続けていること。

1人ずつ悩んでいた悩みが、豪華客船での誰かとの出会いによってほんの少しだけ変わっていく。裏方はかつての後輩の主演ダンサーに、「先輩、踊りたいんでしょ」と核心をつかれて、ギャンブラーはカジノで偶然出会った少女に「人生って変えられるの?」と問われる。マフィアはディーバの代役を探していたキャバレーの支配人と出会って、「誰も完璧な人間はいない」と言われてひょんなことから女装してショーに出ることになって、そして、マジシャンの見習いはキャバレーショーに出ているダンサーであるエンジェルに出会って今までうまくいかなかったマジックが上手くいくようになる。

そんな4人の物語が最後に豪華客船で開かれるキャバレーショーで1つの話になるっていう形式の舞台で。2時間ノンストップで繰り広げられるショーは映画をみているよう。

「Life is show time」って劇中でも歌われていたように、たぶん人生ってほんのちょっとしたきっかけで良いようにも、悪いようにも変わっていく。そのほんのちょっとがSHOW BOYのラストで開かれるキャバレーショーなのかな?なんて思ってみていた。きらびやかなエンターテインメントショーだけれど、考えさせられるところもあって。

「お前情緒がアレだな?」ってエンジェルを演じていた樋口日菜ちゃんに言われたいから乃木坂の握手会に行きたいな~ってちょっと考え始めていたり(笑)。

令和最初の夏にふさわしい最高で最強のエンターテインメント!でした!再演待ってます。

 

  • HEY!ポール!

当初、この舞台が始まる前、雑誌や山本くんのことを好きな友人達から聴いていたこの舞台のワードとして気になったものは、「無職」、「ヒモ」、「同棲」。

彼女と同棲しているヒモの山本亮太くんを観ることができる世界なのには間違いはなかったけれど、想像していたのは彼女に寄生して生きている主人公とそれを取り巻く人たちのハッピーなコメディ。初日の感想を聞くと、「泣ける」、「辛い」といった感想が多くて、一体どんな舞台なんだととても気になった。 

観劇して、たぶん日本の、世界のどこかでありそうで、なさそうなそんな話だなと思った。誰しも生きている中で、さらに歳をとればとるほど、どこかに「傷」を抱えていて。そんな「傷」を抱えた人たちが自らの「傷」をやがては曝け出す。

 

登場人物の中でも山本亮太くんが演じる「平汰」は、誰よりも大きな傷を抱えていた。直接的ではないにしろ、間接的に、もしかしたら自分の言動がきっかけとなって一番自分が大切にしていたものをなくしてしまった。それが彼にとっての過去で、彼にとっての「傷」だった。

 

この舞台に登場する平汰の妻として、少しでも仕事に理解のある良き妻を演じようとしても、娘の行動に理解できないところがあることがストレスとなっていて(と解釈した)、夫に相談できず、結果悩み続けるあまり、どうして自分だけと悲劇のヒロインになってしまう「さちよ」。 

平汰の彼女として現在の平汰と共に生きている「みのり」。彼女にとって、平汰が亡くした妻子を思うあまり、自分の優先順位が平汰の奥さんや子供より低いことを気にしている。

その人のことを愛しているから、わたしのことをたとえ好きにならなくても、その人が幸せでいてくれたら、と思うタイプの人間もいると思う。でもみのりに重要なのは「自分が一番」であることだったのかなあと思う。みのりの気持ちも分からなくもない。

 

そんな三人が物語の中心となって繰り広げられる話、それがHEY!ポール!だった。登場人物の説明だけでもいかにドロドロとした人間関係なんだろうと思っている。物語としては、奥さんであるさちよと子供のかなこを自分の言動によって亡くしたと罪悪感を感じている平汰が、彼女であるみのりと過ごす時間が奥さんと過ごす時間を超えてしまうことを恐れて、奥さんと子供の元へいってしまう……という結末を迎えるお話。

人によっては胸くそが悪い話なのかもしれない。それにフィクションだから、と割り切ってみているけれど、でもどこかしら自分の人生にポールの中の登場人物を重ねてみてしまうようなそんな話でした。

個人的に山本亮太さんの演技の振り幅が想像以上で、いつも元気な亮太くん!を想像していたのでこんな役も出来るんだって次の次の舞台である「相対的浮世絵」がとても楽しみになりました。

 

他にもエリザベートを観に行ってルキーニ演じる成河さんをみて、やっぱりこの人の演技力半端じゃないなと思ったり、フランツ平方さんが不憫すぎてもはや報われてほしいなと思ったり(でも不憫なのにかっこいい)。

そして原嘉孝くん初単独主演の「THE BANK ROBBERY!」もありつつ(感想はまた別記事に書こうかなと思ってます)、最高の令和最初の夏を過ごせたな~と思います!充実してた!本当は「けむりの軍団」もめちゃくちゃ行きたかったのだけどスケジュールが空けられず諦めるという……。無念なのでどうにか来春の偽義経の東京公演には行きたいなあって思ってる。

令和最初の秋も有難いことに舞台とコンサート三昧なので、今から楽しみ~~~!!!